SONY MDR-EX51LP W ヘッドホン

2006年4月16日ビックカメラ天神1号館で購入。
税込み2980円。

きっかけ。

2月にiPodを買うことができた自分。しかしながら、
iPod付属のイヤホンは、本当にイヤホンパッドが取れやすく
また音質の評判も芳しくない状況でした。
そのような中で、前々からカナル型(耳栓型)のイヤホンに
興味を抱いていたこともあって、どのような商品が出ていて、
どのような商品が自分に向いているのかを調べてみました。


何故コレに決めたか

ネットではSHURE社製の何万円もするイヤホン
それに準ずる商品ばかりが薦められていましたが、
自分は5000円以内で収めたかったので、そういう方向で調査。
その結果、「低音と高音がキツい典型的なドンシャリ」だが
総合的に見れば値段の割には悪くないとのことで、これに決めました。
グミナルこと、HP-FX55も音質面で評判は上々で正直、悩みました。
しかしながら、やはり「カナル初心者」の自分が
求めている要素の中でかなり大きな割合を占めるのが「装着感」。
熟慮の末、その点に定評のあるソニーに決めました。


メリット

やはり遮音性の高さは特筆すべきものがあります。
イヤホンの延長線上は多少音漏れが気になりますが、
延長線上でなければ、たとえ電車で隣に座っても、
かなり音を上げないと音漏れはしません。
耳掛け型を使っている人にとっては革命的なレベルかもしれません。


また、装着性の高さも、評判どおりのものでした。
自分はこれがカナル型の初体験で、他のカナル型イヤホンを
買ったことがないので、あまり適当なことはいえませんが、
アビタクさんが買ったパナソニック「RP-HJE70」と比較すると、
その装着感のよさは確かにレベルが高い、と感じられました。


そして何より感心したのが、その音の解像度の高さ。
カナル型という耳穴に防音室を作るような状態になるイヤホンの形状が
その効果を煽っているのかもしれませんが、
今まで聞こえもしなかった音が聞こえます。
ああ、こんな楽器がこんな動きをしていたのか、と思ったのは
このイヤホンを買って後、一度や二度の話ではありません。


低音と高音を極端に強調する(=中音をおろそかにする)ことで
音質がいいと感じさせることを狙ったいわゆる「ドンシャリ」な音に
違和感や不満を抱かない、と言えばウソになりますが、
それでも値段を考えたら、十二分に許容できる範囲であると思います。


また、iPodと絶妙にフィットする色がいいですね。
この色ならば、何の抵抗もなく独特のデザインや色使いである
iPodに使っても、非常に自然です。これは、少々奇抜なデザインや
色使いに走りがちな他社製品よりプラスポイントです。


デメリット

右耳側と左耳側のコードの長さが違います。
ソニーのイヤホンはこのようなコードを採用することが多い気がするのですが、
個人的にはこれはマイナス点。単純にバランスが悪いのみならず、
コードの細さも相まって、非常に絡みやすくなってしまいます。
これがiPod付属のイヤホンと比べて不満な点です。


また、しばらく使っていると、本体からイヤーピースを外した際に
耳垢らしきものが大量にへばりついていました。
どういう原理でこんなところに耳垢がへばりつくのかは謎ですが、
カナル型は衛生面から言うと、あまり好ましいスタイルではないのかもしれません。
そういう点に神経質になってしまう、と思われる方には、あまりオススメできないかも。
自分は「そんなもの、そのつど綿棒やら爪楊枝やらで掃除すればいい」と
割り切っているのですが。


ほかに、神経質になるほどではありませんが、油断しているとイヤーピースは
いつの間にか取れていたりします。

イヤーピースの脱落を防ぐためのイヤホンケースも付属しているので、
少々めんどくさいですが使用終了後はマメに収納していくのが望ましいでしょう。
ちなみにイヤーピースはスペアが全サイズ入って500円程度で売っています。




さらに、自分は今のところ、その症状は出ていませんが、
Amazonのカスタマーレビューで報告されている、断線の多発、
耐久性の低さは気になるところ。
確かに、コード付け根部分や、そもそもコードそのものが、
iPod付属のイヤホンより耐久性に欠けているような手触りです。
これは現状での不安要素。


結論

それにしても、カナル型イヤホンを耳穴に挿入する、程度の調整は非常にシビア。
各所で書かれているとおり、入れすぎてもダメ、入れなさ過ぎてもダメ。
でも基本的には「奥まで入れる」のが原則。
ベストポジションを見つけ出してやっと本来の実力の音が聞けるわけで、
一々見つけ出すだのそんな作業はわずらわしい、と思われる方は
向いていないかもしれません。


また、エージングでも音は相応に変わるようですので、
買ったばかりのイヤホンの音に絶望しても
ゴミ箱へ強制連行しホロコースト、などという血も涙もない
措置は、とらないのが懸命かと思います。
個人的な感想ですが、エージングすると音のバランスが変わる、というよりは
相変わらずのドンシャリと解像度に加えて、音に深みが出るような印象を受けました。


デメリットより圧倒的にメリットの方が多かったかな、いい買い物ができたかな、
不満がないと言えばウソになるが、3000円という値段を考えれば
十二分じゃないか、というのが今の自分の正直な気持ちです。
何より「音の解像度」の高さが自分の中で高ポイントでした。
音源によっては、楽器を吹く前の息の音まで聞こえたり、
機材が発する振動音が鳴り続けていることから、
安い録音機材を使っていることを察することができてしまったり、
この解像度の高さは、耳掛け型で「いい音質」とのたまい、
付属のイヤホンの音質でも十分満足していた自分には間違いなく
未知の体験だったと言えるでしょう。


やけに冗長な「結論」になってしまいましたね。そろそろ締めに入ります。
ヘッドホンの中でもイヤホン、特に低価格帯のカナル型
試聴させてくれるお店も少ないですし、この手の商品の購入は
「賭け」と言っても言いすぎじゃありません。
各所で散々言われつくされたことですが、「音」というのは
受ける印象の個人差も非常に激しいですし、
聴く音楽のジャンルでも変わってきますし、他諸要因で全然変わってしまいます。
ですので、自分は、様々なサイトや雑誌、口コミ(店員さんは人によりけりです。
音質について聞いても「どれも同じようなものです」と答えるようなレベルの人も多いですので。)
などを通してできる限り情報をかき集めるのが、
自分にピッタリのイヤホンを見つけ出す一番の近道ではないかなと思います。
何も何万円もするイヤホンのみを検討材料にする必要はないのです。
安いながらも自分に合ったものを探す、それもまた、買い物の大きな楽しみなのですから。