防衛庁の「省」昇格関連法案を閣議決定

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060609-00000103-yom-pol
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 政府は9日午前の閣議で、防衛庁の省昇格関連法案を
決定した。防衛庁を「防衛省」とすることや、
自衛隊の国際平和協力活動を本来任務化することが柱だ。


 同日午後、衆院に提出した。


 通常国会は、会期末が18日に迫っているため、
政府・与党は継続審議とし、秋の臨時国会での成立を目指す。


 防衛庁設置法を「防衛省設置法」に改正して、
防衛庁防衛省にする。防衛長官は防衛相となる。
防衛省の任務や所掌事務、組織などは、現行の防衛庁設置法の
規定を基本にする。防衛庁内閣府から独立し、各省並びの
防衛省と位置づけられる。


 自衛隊法3条で定めている自衛隊の本来任務には、
国際平和協力活動と周辺事態への対応を新たに加える。
その前提として、日本防衛に「支障を生じない限度」と、
「武力による威嚇、武力の行使に当たらない範囲」を盛り込んだ。

やはり、あれだけの任務と責任と担い、相応の規模を持つ組織が
「庁」というのはあまりにも不自然であり、弊害も多かった。


ウィキペディア「防衛庁」項にはこうあります。

防衛庁は、発足以来半世紀を経過していながらいまだ
「省」への昇格がなされず、その権限拡大を望む勢力に
よる検討議論が頻繁になされている。これには自衛官
士気向上や各国の国防組織(多くは省レベル)との
均衡を図る、などの目的が考えられる。防衛庁が「省」
でないことによるデメリットとしては、省令の制定・改廃を
比較的速やかに行える「省」に対し、「庁令」を制定する
権限を持たないため「内閣府令」として制定・改廃を
内閣府本府の大臣官房に上申する形となるため、手続が
繁雑で遅くなる、などの点が挙げられている。


また防衛庁には、「文民統制」の観点から他省庁
(主に警察庁財務省経済産業省などの経済官庁、厚労省など)
の出向組が多いが(所謂「背広組」)、生え抜きの「制服組」の
立場が弱く、「背広組」に政策の主導権を握られている。
しかし、あまりにも多くの省庁からの出向を受け入れ、
「背広組」の多くが、出身省庁の省益を第一に考える
傾向があるため、政策決定過程が『百家争鳴』の体であり、
「背広組」は、現場の意見よりも杓子定規な原則論を
優先しがちであるため、深刻な弊害が生じているとの
指摘もある(一例として、千歳基地に隣接する新千歳
空港への旧共産主義国航空機の乗り入れについての
意見の相違がある。「背広組」は防諜の観点から
原則反対の立場、「制服組」は地元の理解あっての
自衛隊であり、防諜は運用次第で可能であるとして
容認の立場であると言われる。この意見対立が、
他の空港と比べてロシアや中国との国際路線就航が
遅れている理由と言われる。)。省への昇格で、
防衛庁と他省庁と対等な関係になり、「制服組」の
発言力が多少なりとも高くなることで、この弊害が
いくばくかは解消されるのではないかと期待する声もある。


2005年4月には野党民主党からも、防衛庁を「国防省」に昇格させようとする動きが出た。

自衛官の士気向上は、効果が大きいように思います。
これをきっかけに、自衛隊を軍として組織しなおすことができれば、
もっとよいと思うのですが。
特に、現在の自衛隊の階級呼称のいびつさは、改善必須。
陸将だの海将だのってなんだよ、と。やはり大将とか中将とかいった方が、
張り合いが出るでしょう。国際的な互換性も保てるし。
秋の臨時国会では、ぜひこの法案は通して欲しいですね。




参考リンク;
軍隊における階級呼称一覧