「公立中の部活動」 「やりすぎ多い」医師が警鐘

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200604100071.html
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 秋田市立中学に通う2年生男子生徒の母親から
ハードすぎる部活に疑問を投げかける手紙が届いた。


 「陸上部の練習が連日遅くまであり、夏は午後7時ごろまで
学校にいます。疲れて果てて帰宅し、夕飯などを済ますと寝るだけ。
土日もつぶれます。公立中でこんなに部活をやる必要があるのでしょうか」


 同じ学校の女子生徒の母親は「吹奏楽部も大変。他県に引っ越した人に
よれば、秋田は特に大変らしい」とのこと。転勤で秋田市から転出した親に
聞いてみると、「早く帰ってくるようになりずっと余裕ができた」(中2、山梨県)、
「短時間に集中して練習するようになって喜んでいる」(中3、山形県)。


 秋田市内の秋田組合総合病院のスポーツ外来担当の整形外科医、石沢暢浩さんは
05年、市内の中学生にアンケートをし、主に部活で運動をしている1355人の
回答を分析した。1日の練習時間は約75%が2時間以上、27%が4時間以上。
94%が「週に5日以上」、半数が「家に帰っても疲れる」、
6割が「体に痛みがある」と回答した。


 「秋田も学校によって違うが、中学生としては、やりすぎの学校が
多いことがよく分かった。この年代は体格差が大きいのに、
一律の練習メニューではけがが多くて当然です」と話す。


 ただ、部活に多くの時間を割くのは秋田市だけの傾向ではない。


 文部科学省の「運動部活動の実態に関する調査研究協力者会議」が01年、
調べた結果、中学校で週6日以上活動している例が64%あり、
時間も「2〜3時間」が47%、「3時間以上」が13%だった。
「休養日を定めている」のは約6割だったが、土日の活動を
「どちらも認めている」との回答も6割だった。


 文化系の生徒からも厳しい部活への疑問が寄せられている。
茨城県の公立中学2年の女子生徒は吹奏楽部の部活で
毎日疲れ切っているという。「朝練や長時間の練習でほかのことをする
余裕がない。風邪でも休みにくく、つらい。でも、
やめると友達や先輩との関係が悪くならないか心配」


 元公立中学教諭で教育評論家の尾木直樹さんは「部活は充実感を共有したり、
自己肯定感が増したり、良いことも多い。だが、生活が部活のみになる危険もある。
思春期に様々な経験をし、自分としっかり向き合う時間がないと、自立心も育たない」。


 少子化で教師の数が減る中、部活は教師にとっても負担が大きい。
「時間を短くするか、地域の受け皿を作って活用するべきだ」と話した。

なんてこった!朝日がマトモな記事を書いていやがる!
こんな奇跡もあるんですなー。ということで本題。
中学で野球部、高校で吹奏楽部をやっているものとしては、
割と幅広い観点から意見が言えるつもりです。


(文化部で槍玉に挙げられているのが吹奏楽のみだという点は
この際現実から目をそらすことで回避して
)
ちょっと部活動のあり方を見直しても良いかもですねー。
主要な部活には、大学みたいにサークルとか同好会とかを併設して
他の生活とのバランスをとりたい生徒の受け皿作りを進めるとか、
公立中は土日両日の練習は禁止、とか。
休みも入れずにぶっ続けで1ヶ月とか練習させて、ぶっ倒れて
自己管理がなってないもクソもあるか、と。
自己管理の入り込む余地がねーよwww

「部活は充実感を共有したり、自己肯定感が増したり、良いことも多い。
だが、生活が部活のみになる危険もある。
思春期に様々な経験をし、自分としっかり向き合う時間がないと、自立心も育たない」

にしても尾木直樹さんいいこというなー。
例えば吹奏楽にしたって、現在の多くの吹奏楽部のあり方が
2ちゃんねる吹奏楽板などで批判されている
「コン厨」(=コンクール至上主義者、極端にコンクールを神格視する者)を
生む土壌になっている点は否定の仕様がありません。
コンクールがすべてではない、と考える人が、あまりにも少ないのではないでしょうか。
(みんなバカのひとつ覚えのように「コンクール、コンクール」。
知らず知らずのうちに代々「洗脳教育」を受け継いでいるようなカタチなので、
余計に厄介。入部早々からコンクールがすべて、と叩き込む行為は洗脳以外の
何物でもないのでは?と思います。)


そもそも部活動そのものを妙に神格視し、さも万能かのように喧伝する動きがあるのも問題。
「忍耐力がつく」「判断力がつく」「社会に出てから云々かんぬん…」
どれもみんな、ある面では正しいことなのでしょうが、
部活だけじゃ人間は育たない。もちろん部活と勉強だけでも人間は育たない。
このことは疑いようの無いことだと思います。
部活と勉強だけじゃ人間は育たない。このことを、
部活動で教えられてこそ、「部」ではなく巨視的に見た「部活動」そのものの
成長が図れるのではないでしょうか。

「部活だけじゃダメだ」や「勉強だけ、というのは…」というのは
よく聞く意見です。けれども、それだけではなくして、
「部活と勉強だけじゃどうしようもない」と部活で教える。
なかなか難しいコトですが、乗り越えなければならない壁だと思います。