<脳死>米国・カナダで判定の3人、日本帰国後に意識回復 (毎日新聞)
http://news.www.infoseek.co.jp/topics/society/medical/story/26mainichiF0726e076/
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米国やカナダ滞在中に脳血管の病気で意識不明になった日本人で、
家族らが現地の医師から「脳死」と説明されたにもかかわらず、
帰国後に意識を回復した人が3人いたことが中堅損害保険会社の調査で
明らかになった。東京都内で開かれた日本渡航医学会で、
損保の担当者が報告した。海外での脳死診断は日本ほど厳格でなく、
治療を打ち切る場合があることを浮き彫りにする事例で、
報告した担当者は「医療文化が違う国にいることをはっきり認識すべきだ」と警告する。
報告によると、02〜05年度に、旅行や仕事で米国、
カナダに滞在中の旅行保険契約者9人が脳血管障害で入院。
主治医は家族や損保の現地スタッフに「脳死」と説明した。
うち3人の家族は「治療中止は納得できない」などと訴え、
チャーター機で帰国。日本で治療を受け、意識が回復した。
搬送費用の約2000万円は保険で支払われた。
残り6人は、チャーター機手配に必要な額の保険に
加入していなかったことなどから帰国を断念。現地で死亡したという。
意識が戻った60代男性の場合、カナダで脳梗塞(こうそく)となり、
入院した。人工呼吸器をつけなくても呼吸できる自発呼吸はあったが、
医師は家族に「脳死」と説明したという。
しかし、男性は帰国後1カ月で意識が戻り、記憶も回復した。
米国は脳死者からの臓器移植先進国で、年間6000例前後が
実施される。脳死は人の死という考え方が広く
受け入れられているためだ。松本歯科大の倉持武教授(哲学)は
「日本よりも臓器移植を強く推進するというムードが強く、
医療現場に影響しているのかもしれない」と指摘する。
日本では臓器移植法が施行された97年以降、脳死移植は47例。
杏林大学病院の島崎修次救命救急センター長は
「米国、カナダの脳死判定では脳波は取らず、日本ほど厳格ではない。
カナダでは病院ごとに判定基準を定めている」と説明する。
やっぱり「脳死=人の死」という絶対的な基準を決めて
「臓器移植マンセー」という流れを強引に推し進めるのは
危険なんじゃないか、というのが正直な感想。
現在の臓器移植推進論者が主張する
「15歳以上に限定した現在の年齢制限撤廃」や
「本人の同意なし(遺族の同意のみ)での臓器移植の合法化」や
「現行法において遺族がもつ臓器移植の拒否権の剥奪」や
「カードの記載不備に対する柔軟な解釈」などは
非常に危険といえるのではないか、と思います。
日本の死に対する観念は、他の欧米諸国やアジア諸国とは
異質のものだと聞きますし、反対や懸念の声もかなりある
日本の現状を考えると、現行の臓器移植法は
双方の妥協点をうまく探りえた類稀なる良法だと思いますし、
今すぐ、改正だの法案提出だのというのは
いささか早急すぎるでしょうし、時間がたてばよい、という
問題でも無い気がします。
以上、正義の味方を気取って拙速としか思えない
臓器移植法の改正を主張する臓器移植推進論者諸氏へ駄文を一筆。
参考リンク;
トランスプラント・コミュニケーション