Apple iPod 30GB ホワイト [MA002J/A]

●iPod classic 第5世代 30GB ホワイト●MA002J/A

●iPod classic 第5世代 30GB ホワイト●MA002J/A

Apple Store(オンラインショップ)でパーソナライズサービスもつけて。
2006年1月19日注文。
2006年1月31日支払い。
2006年2月07日到着。

税込み34800円。

何故コレに決めたか

正直、高い買い物だっただけに、コレを買うのには相当吟味しました。
iPod自体は3Gあたりから目をつけていて、
将来は絶対手に入れてやる、と目論んでいた代物ですが、
当初は雲の上の品でした。それを何故買うことになったか。
まず、自分が今まで持っていたMP3プレーヤーに、
音質面、品質面での大きな不満を抱き始めたのがきっかけです。
夏にアビタクさんと旅行したときに、アビタクさんが持っていた
iPod miniを聞かせてもらって、その音質のよさに驚いたのが発端。
iPodの、しかもminiの音質に感銘を受けるとは、
笑い話にもなりませんが、自分がそれまで使っていたものに比べると、
格段に音質が良かったのです。
そしてその容量。長期旅行で特に痛感する、256MBのメモリの限界は、
iPodに羨望のまなざしを向けさせるに十分なものでした。
そして、夏休みも終わり、携帯で音楽を聴く、という知恵を覚え、
音質も不満のないものでしたので、しばらく携帯を使っていました。
しかしやまぬ容量への不満。128MBのSDメモリでは、
入れられる音楽にも限界がありました。
それに音楽を入れるソフトにも不満を抱いていました。
「大手メーカーの作るソフトにありがち」な操作性を毛ほども考えてないそのソフトも、
私に不満を抱かせる一つの要素になりました。


iPodが欲しい!
と、本気でお金の工面を考え出したのは、11月ごろからです。
おりしも、劇的な薄型化が図られた第五世代のビデオiPodの発売もあり、
機は熟した感がありました。
それから、金を貯めに貯めて、年明けの注文となったわけです。


もちろん、iPodだけがMP3プレーヤーではありませんので、
他の各社製品も考えましたし、ネットでの評判も見比べました。
しかしながら、東芝iriverSONYなどの製品は、
iPodに比べて、付属ソフトの使いづらさが問題でした。
それに、やはり持ってて一番インパクトがあるのはiPod
話題性、知名度ともに十分ですし、かつての「ウォークマン」のように
iPod」がMP3プレーヤーの代名詞になっている感すら。
また、価格もiPodが一番安い。
30GBでカラー液晶を搭載し、ビデオも見れてこの薄さ、そしてこのお値段。
という商品は、他にはまったく見当たりませんでした。
3万5千円で他社製品を探すと、みなワンランク下の製品になってしまう状況。
私に選択の余地はありませんでした。
あとは機種と容量。nanoと悩みましたが、自分が求めるのは、
PCのMP3をポケットに入れてしまうこと。
サイズよりも容量。とはいえ、さすがに60GBが必要だとは
思えませんでしたし、何より予算オーバー。こうして
Apple iPod 30GB ホワイト [MA002J/A]に決めることにしました。



商品が届くまで

ネットでこんなに高価な買い物をするのは初めてでしたが、
iPodに自分の好きなメッセージを刻印してくれるサービス、
「パーソナライズサービス」はApple Storeのオンラインショップ
(直営店では取り扱っていませんでした)でしかしてくれなかったため、
ヨドバシで買うとポイントが付くにもかかわらず、それを捨てて
オンラインショップで注文しました。
注文して自分の手元に着くまでに時間のかかるネットショッピングは、
特に楽しみにしている商品について、あまり取りたくない手法
(待つのが本当に苦痛で)であったのですが、この際やむを得ませんでした。
そうして注文したのが2006年1月19日。
選んだ入金方法はコンビニ振込み。
その結果、振込み用紙が届くのを待つ羽目に。
結局、届くのに1週間ほどかかってしまいました。
この時点でかなりいらだっていたのですが、用事が重なり、
結局入金できたのが2006年1月31日。
そして待つこと一週間とちょっと。2006年2月07日に
商品は届きました。


しかし、どうでしょう。結局注文してから手元に着くまでに
いくらパーソナライズサービスがあるとはいえ、20日前後も
待たされる羽目になった事実。
特に、振込用紙が届くのが致命的に遅かったように感じます。
振込用紙は、紙を送るだけなのですから、遅くとも5日ほどで
届けるべきだったのでは?
振込用紙に限らず、「もう届いたの??意外と早いじゃん」と思わせる会社も多い
通販業界の中で、この遅さは致命的。
定価で売ってるんですから、この辺はぜひとも改善して欲しい点であります。



メリット

まずは外箱。マットPP加工してあり、非常に高級感があります。
この辺はさすがはアップルといったところ。
箱を開けると、シンプルにまとめられたiPodと付属品。
自分が今まで買ったさまざまな品物の中で、
外装にこれだけこだわった商品はコレが初めてな気がします。
非常に好印象でした。


そして、手にとって見て、使い込んで分かるのが
その薄さ、軽さ。何故かは分かりませんが、
店頭で触れた時よりも、軽く、薄く感じます。


そして画面の美しさも魅力。自分もここまでのレベルは期待していなかっただけに、
MP3プレーヤーとしては「息をのむ」といってもいい
美しさには感動を覚えました。コレも周りが明るい店頭よりは、
若干暗めの家の方が格段に美しく感じます。
それにサイズもとても大きく感じました。
MP3プレーヤーの動画再生用としては、12分のもので不満の余地はありません。


そしてさらに、「クリックホイール」の操作性の良さは未知の世界。
曲選びやメニューからの選択など、1から10まで、操作に関して
強いてはiPodの魅力に関して、これが果たした役割は
絶大なものがあるように思えます。この感動は、かつて
「ジョグ」で携帯、MDプレーヤーのリモコンなどの
操作性に関する世界を席巻したかつてのSONY以来の革命といってよいでしょう。
また、意外なのが曲の早送り、巻き戻しもホイールでできるということ。
大抵の場合、早送りボタンを長押し、巻き戻しボタンを長押し、となるだけに
サクッと飛ばせる、巻き戻せる、この気持ちよさは生半可なものではありませんでした。


また、懸念されていた音質も、自分にはなんら不満はありませんでした。
まぁ、元が元だけに、という見方もできますが、
5Gは音質が向上したとも聞きますし。
自分で、音の違いなどそんなに分からない、と言う方なら特に
問題はないかと思います。が、感じる音質に関してはホントに個人差が激しい。
iPodに関しても、全然気にならない、と言うヒトも居れば
iPodを使ってる人間は難聴」と言い切るヒトまで、ピンきりですので、
こればかりは、自分で確認する他無いでしょう。
ただ、iPodの音質に不満を感じるヒトには、イヤホンを変えることを
オススメしておきます。パソコンも、サウンドボードの前にスピーカーを
疑うのが先であるように、イヤホンを先に疑うのが順序というもの。
実際、iPodのイヤホンは評判悪いですし。
iPodの音質叩きはSHUREシリーズなど、評判の良いイヤホンを試してからでも、
遅くはない気がします。


また、iPodに使われている「Osakaフォント」がまた良質なフォントで、
ホントに可視性が半端なくいいです。
店頭でマックのデモ機でネットをしたときにも感じましたが
もう「Osakaフォント」のためだけにマックを買ってもいいぐらい。
コレは、意識しないヒトも多いかと思いますが、自分の中では
大きなポイントでした。


さらに、「おまけ」とか「実用性に欠ける」といわれた
ビデオ再生機能も、使ってみれば十分使い物になります。
映画の字幕も普通に読めますし、変換にかかる時間、
そもそも変換する手間がネックですが、
妙な期待をしすぎなければ、十二分に満足できました。
画面も非常にきれいですし。


そしてポイントは、やはりiTunes
このソフトの使いやすさは、半端無かったです。
リッピングからライティング、音楽データに関する
全ての作業をWindowsMediaPlayerからiTunes
やるようになりました。リッピングもWAVEデータで
取り込めますし、曲名、アルバム名を表示する
CDデータベースがWindowsMediaPlayerのそれより
格段に高性能。多少ソフトは重たいですが、
重たさを補ってあまりあるソフトです。
例えば、アートワークというジャケット表示機能。
アートワークを登録した曲データをiPodに取り込むと、それが反映されて、
再生中にジャケットが表示されます。
意外とコレが便利で、このためだけにカラーディスプレイにしたとしても、
十分その価値はあるでしょう。それくらい何気に便利。
また、歌詞の登録ができるのもグッド。
さらに、iPod上で曲の評価を五段階ででき、しかもそれを
iTunesでPCと共有できるというのは非常にすばらしい。
評価だけでなく、再生回数も共有することができます。
この再生回数というのが、何気に面白くて、
iTunesで一覧で見ると、とても偏っていたりして、
自分の曲を聴く傾向を客観的に掴むことができます。
そして意外に再生回数が多いことにびっくりしたり。
40回とか再生したりして。


また、iPodが市場を独占同然にしていることも、
プラスにはたらきます。
まず、サードパーティが非常に多くの製品を出している。
ヨドバシやらビックやらに行けば、iPodのケースなど
どれを選べばよいか分からないくらいの数を売ってますし、
それ以外の小物類から、あると便利なものまで、
他社製品ではありえない豊富さです。
また、ネットに出回るフリーソフトも同じ。
iPodのためのフリーソフトだけで、ネットには星の数ほどありますし、
選択肢の幅は広がりんぐです。
以前にPaintShopPro7を買ったときにも経験しましたが、
このメリットは、とてつもなく大きいものです。
値段も安く、たくさんの選択肢の中から、簡単に。
iPodをアシストする各アイテムを手に入れようとするとき、
このメリットはホントに痛感できます。
これがSONYのだったらどれだけ苦労するのかな…なんて
考えたくも無いです。


5Gからリモコン端子が無くなったとの事ですが、
後ろの通信コネクタを使えばリモコンは使えますし、
そもそもコレだけシンプルかつ、極められたインターフェイスだと、
リモコンが居るかどうかすら疑問なところ。
とりあえず、今の自分には必要性は感じませんでした。


iPodを入れるソフトケースが付属しているのもありがたいところ。
端子が壊れた例もあるので、愛用するには低品質ですが、
それでもシリコンケースを買うまでのつなぎに使う分にはちょうどいい。
iPodを傷つけたくないと思うと、ケースがないと外にも出られませんから。



デメリット

評判の悪い付属イヤホンですが、自分には、
音質面での際立った不満はありませんでした。
むしろiPodの付属イヤホンを「バランスのとれた良品」と
評価するヒトも居るだけに、本当に感じる音質というのは、人それぞれです。
ただ、「サイズが合わない」のは問題でした。
自分の耳が大きすぎ、イヤホンがすぐに外れてしまうのです。
それを避けるために耳の奥にねじ込むと、今度は耳が痛くてしょうがなく…
しかしこの問題は、付属のパッドで解消しました。
付属のパッドをつけると、ちょうど滑り止め兼サイズの上増しのような
カタチになり、さらに低音が良く響くようになって、言うことなし。
ただ、この付属のパッド、取れやすいことこの上ありません。
カバンの中や、布団の中などにiPodを放り出しておくと、
知らないうちに取れてしまっています。
結局探し出すことができなかったことが2回も。
付属にパッドの予備がワンセットついていることもうなずけます。
技術的には簡単なことでしょうし、コレはもうちょっと改良が必要です。
その上、「悪くない」とはいえ、さしたる耳ももってない自分でも
「良い」とは感じられなかったイヤホン。
そんなに質の良い品ではないことは確かなので、
不満を感じたら即、買い換えるくらいでいいと思います。


先ほどベタほめしたiTunes。問題点もあります。
林檎独特の操作感があるため、
最初は窓で培った操作「勘」が一切役に立ちません。
ウィンドウズならココを押したら、とかそういう経験が
まったく役に立ちません。
慣れるまでの辛抱ですが、非常に苦痛でした。
Windowsの操作感を取り入れたバージョンも別に
リリースしても良い気がします。


しかしこの商品、一番の難点はバッテリーの持ち。
少し操作するだけで容赦なく電池を消耗します。
再生より、操作のほうが電池を消耗するようです。
とはいえ、右上のゲージほどは実際には電池を消耗しません。
携帯の間隔でいくと、ゲージが満タンでなくなると
電池のことを頭に入れなければいけませんが、
iPodは満タンである方が珍しいくらいで、すぐにゲージが欠けてきますので
満タンにこだわる必要はありません。
ていうかこだわってたら精神病になります。
あと、消耗するのは動画再生。これは恐ろしい勢いで消費します。
映画一本も見れば、3分の2は消耗してしまうのではないでしょうか。
そしてやっかいなのが、電池が赤色(警告)になってから長持ちすること。
携帯で言う「残り一本」なので、ドキドキするやらイライラするやらなのに、
それからが長い。けれど電池が切れたときの恐怖を考えると、
ホントにストレスがたまるんですね。
できれば設定で数字表示が、それが無理でも、「残り一本」は
あまり長く時間配分しないで欲しいですね。
イライラしてむかつきます。
また、バッテリーの持ちが悪いのは諦めるとしても、
携帯に「マナーモード」があるように、
EQをオフにしたり、バックライトをオフにしたりする
「節電モード」があるとホントに便利かと思います。
しかし、バッテリーは特に買って半年をすぎるとひどいと聞くので、
まだ「本当の恐ろしさ」は見えていないのかもしれませんね。


また、付属のケーブルが、USB端子なので、PCで充電するほか、
充電する手立てが無いのも問題。
アップルのオプション品で3000円、サードパーティ
1000円ほどで、USBをコンセント端子に変換するコネクタが
売っているので、コレは必須かと思います。
いちいちPCつけてられないし。


キズが入りやすいのも問題。
結局傷つけたくなかったらシリコン製のカバーを買うことに。
これが2000円前後と馬鹿になりません。
しかもカバーをすると厚みが増してしまいます。
iPod miniのようなマットな金属の
外装をしたiPodが出れば、+2000円ぐらい払ってもいい気がします。
どうせカバーにそれくらいお金がかかりますし。


動画再生もまたしかり。
「思ったよりは使える」と書きましたが、
「簡単・お手軽」とはいいづらい状況。
コツを掴むのに時間がかかりますし、
携帯動画変換君」もまた初心者にも簡単に扱えるソフト、とは言いがたい。
6Gでは、より多くの動画形式への対応が望まれます。


あと、細かい話ですが、吹奏楽の曲を入れるときに、
iTunesにぜひとも欲しかったのが「指揮者」の項目。
WindowsMediaPlayerにはあったのですが、
吹奏楽やオーケストラにとって「指揮者」が誰なのかは
結構な問題。つけて困ることはないでしょうし、
ぜひともつけて欲しいところです。



まとめ

iPodは決して万能の商品ではありません。
ただ、MP3プレーヤーを選ぶとき、一番無難で
勧めやすいチョイスです。
ざっとあげるだけでメリットが

  • 安い
  • デザインに定評
  • 話のネタになる
  • 操作性抜群
  • Osakaフォントハァハァ
  • ビデオ再生イイヨイイヨ
  • 使ってるヒトが多いってメリット
  • iTunesのすごさってどうよ?


で、デメリットが

  • 傷入る。
  • 音質悪いらしい。
  • コンセントで充電できないと話にならない。
  • ていうかバッテリークオリティヒクスwww


デメリットは、十分メリットが吸収しうるものだと思います。
それに何より、他社製品があまりに貧弱。
「(iPodよりは)音が良い」
「(iPodよりは)バッテリーが持つ」
メリットはそれだけで、他は何処を見ても、iPodに劣る、
では話にならないと思います。


自分は、東芝ソニー、iriberが「iPodの対抗馬」づくりに
必死になっている印象を受けます。
ですが、それでは売れないでしょう。
なぜなら、市場が求めているのは、iPodの対抗馬でなく、
iPodの跡を継ぐもの、いわば「iPodオルタナティブ」だからです。
それが対抗馬づくりもままならない状況。
挙句の果てには「iPodのほかにデジタル・ポータブルオーディオはないのか」と言われる始末。
これではシェアのほとんどを奪われても仕方が無いでしょう。


さて、iPodに話を戻しますが、
とても良い、と感じたのは他にもあります。
それは眠っていたCDを聞くようになったこと。
今まで手もつけなかったCDも、聞き込むと良さが分かる、というものです。
聞き込んで、今では自分とっておきの一枚。
iPodを買ってから、そんな体験を限りなくすることができました。
また、新しい音楽にもチャレンジしようと思うようになりました。
例えば、ビートルズのアルバムを新しく借りてこようとか、
ベストクラシック100が欲しくなったとか、
エミネム聞いてみようとかスティービーワンダーにも手を出してみようとか、
マイルスのジャズテラモエスとか、自分の音楽の世界が大幅に広がりました。
そう、自分にとってiPodとは、全ての音楽好きに薦めたい、最高のパートナーです。
いや、むしろ、音楽嫌いにも手をとって欲しいかもしれない。
とにかく、あなたの音楽の世界を広げに広げる魔法の道具です。
それはiPodでなくてもいいでしょう。ただ、「大容量MP3プレーヤー」の
一番のすばらしさは、そこにある気がします。
これだけは言える。
「そんなに曲入れる気ないし。」で大容量に見切りをつけるのは
あまりにもったいないということ。