名言だウラー!

今日は、今読書感想文用に読んでいる
「最後の将軍」から。



「容保は辞職ではなく、慶喜の根は存外徳川家への
忠義者であることを信じていた。ただ才華があふれ、
権謀が多過ぎ、頭脳の回転が常人よりも
早すぎ、かつその進退の計算が深く、演技がありすぎることが、
愚者たちにこの男を妖怪のようにみせているだけだということを
容保は知っている。」



「『いったい、将軍になってなにができる』」



「徳川家の政権を捨ててしまおう、政権を虎とすれば、
虎は虎であってもすでに死骸である、いや死骸とまではゆかぬが
内臓の八分までが腐り、かろうじて脈を保っている。
その病虎を生かそうとおもえばこそ難渋する。
思いを決し、いっそ路に捨つべし。朝廷がそれを拾うのもよく、
薩州が拾いたければ拾うのもよい。」



この人が、維新最大の功績者であり、維新最大の
犠牲者であるということが、この本を読むと
よく感じ取れます。

もし、慶喜が素直に朝廷に政権を返さなかったら・・・


さすが司馬作品。深いですね。